Memo



実家へと帰る途中、電車の中でメールを打っていると

ちょうど、恋人からメールが届いた。

今居る場処をたずねてみると、××駅に居るよとお返事。

わたしの乗っている電車もちょうど停車したところで

今めでみた文字と同じ駅名をアナウンスが告げた。


ドキドキしながら、今電車乗った?と送り、

しばらくドキドキが続く。


次の駅に到着し、混み合っていた車内が随分と空いてきて

車内を移動できるようになってから

歩き出した途端に、こちらに向かってくる

ニコニコ顔の彼に会えた。


こんなことってあるんだ。ビックリした。

二人でニコニコになる。


座席に腰かけ、仕事の話などをしているうちに

バイバイする駅に近づく。

ご飯一緒に食べれる?と訊かれてどうしようとアワアワ。

電車に乗る前にすでにくまちゃんに

迎えに来てもらえるように、お願いをしていて

きっともうキリンで待っていてくれている。


とても困ったけれど

あえたミラクルに沿いたくって

意を決して、くまちゃんに連絡した。

迎えに来てくれていたくまちゃんには、

本当に本当に申し訳ないことをした。ごめんなさい。

俺が誘ったからと彼もしきりに

くまちゃんごめんなさいと言っていた。


改札を出てお店に入り、ごはんをたべながら、大事なお話。

お話をきくわたしすらショックを受けるのだから

彼はきっともっとだったろうと思う。


それから、寒空のしたを二人歩く。

まるで最初に出会った日の夜みたい。

彼の家までの、迷路みたいな坂道小道、

前回はアルコール混じりだったけれど

夜の記憶がところどころ浮かび上がってきて

景色が焼き増しされる。


この道を再びこんな風に

二人で歩くことがあるだなんて

思ってもみなかった。

雲ひとつなくお星もクッキリみえる晴れた夜空の道、

スキップでもしたい気分だった。


駐車場に到着してから、車でビュンと家まで送ってもらった。

車の中には、ふたりのうつぼが居て

いつも乗っているあいだ中、手にしている

ちゅうくらいのスライムくんもいる。


ひどく安心な空間。でもきっと

いちばん安心なのは恋人の佇まいや声の温度や

穏やかな心なんだろなって想う。