Memo

待ち合わせまでたっぷり時間があった。

そこいらをフラフラり。気になっていたお店にはいると

好みで、どれもこれも良く感じられ、幾つか 秋物を手にした。


駅の改札前で待っているとき

壁に寄りかかりながら

普段めったに聴かない曲たちをとりだして、聴く。

きゅうっと しみしみする。

カラフルに目の前をひとが通り過ぎてく。

静かなまばたきと移る風景、

でも心は、耳へ。音に 真っ直ぐに向かってる。全身で震える。

こんな時間が ひどく好きだ。


だいすきサンに連れて行ってもらったことのある居酒屋さんでごはん。

置き去りにされ勝手にディスプレイされていた

ドラゴンボールや星矢のおまけカードの数々にお店の方まで首をかしげる

カードをめくるとえらい懐かしくて愉快な気分。


アルコールを含み、すぐに赤くなった顔を眺めながら

ニコニコが続く。


黙っている時間も 静かに話をする時間も

ただただ 心地がいい。


降ってきた何かは、とても求めていたもので

だからこそ、不思議な気持でいる。

まるで夢みたいだ。

こんな夢なら、夢でもいい。味わえたってだけで

夢をみているわたしは満たされると思うのだ。

たとえ 夢から覚めたとして

まただいすきなものに囲まれ、穏やかに生活していくのだろな。


心が失うことに慣れている。なじませようと働いてしまう。

夢だと思えることも

きっとその予防線のうちのヒトツで。今はまだ

これが夢じゃないことが 不思議でたまらない。


細胞が全部いれかわり、

ちゃんと ここに居てそこに居る という、紛れもない事実を

受け止められるようになるまで

しばらくかかりそうだ。


隣をゆっくり歩く そのリズムみたいに

ゆったりしたスピードで進んでいけばいい。