Memo



くだらないことが言えなくて

本当にくだらなくって口にしたら一笑に付されて

それでも、誰かに聞いて欲しいときが、ある


もう大人だから

それがくだらないことだと判るのだ。

とるにたりない、ちっぽけなことだと分かる。

それでも、なかなか割り切ることが出来ない

理解して納得するところにまで到達し、

消化するまでにどうしても時間がかかる


そいだから、尺度がたとえ違うとしても

耳を傾けることを忘れずにいたいと想う。

くまちゃんがわたしにそうしてくれたみたく。


帰り道、途中で同僚の心内を聞き、ドキリとして

めそめそしながら、実家に帰った。


安心な場処。

くまちゃんや父や猫たちの存在、

長く暮らし慣れた家を囲む空気が

ただひたすらに優しく感じられた。

テーブルに並んでいた天麩羅が美味しくて

かき揚げがさくさくでフキノトウが苦くて

さつまいもが甘くて、どっさりのお皿を前に

くだらない悲しみなどしゅるしゅる解けていった。


夜遅く、恋人からメールが届いた。

日曜日は何もないから、芝桜みに行けるよとあって

夢の見過ぎかもしれないと、幾度もめで辿ったけれど

夢じゃなかった。現実の言葉だった。

何も伝えていないのに、心を読まれてしまった。


夢みたいにうれしく、また涙がこぼれた。